売却を交ぜることで、資産と負債のバランスを回復しつつ、
次の物件への自己資金を捻出する

 そしてもうひとつ、エグジット(売却)を想定しておき、時にはそれを組み合わせることの重要な効果を紹介しておきたい。

 融資を最大限活用して物件を買い進めていると、積算評価(銀行の担保評価)と借入のバランスが徐々に崩れてゆき、継続した融資が受けられなくなってくるのだ。

 かなりの割合の自己資金を入れて投資をするか、または耐用年数のまだ十分に残っている物件を運用し、残債を減らしながら資産のバランスシートを整えてゆくしかない。

 そこで、売却をひとつでも交ぜることで、資産と負債(借入)のバランスを回復しつつ、キャピタル・ゲインから次の物件への自己資金を捻出するという戦法が有効になってくる。

 こうすることで、徐々に、あなたの資産のバランスシートである保有資産が健全に大きく膨れ上がり、不労所得と売却益の両方から資産を拡大できる超好循環状態に入れるようになる。

上田真路(うえた・まさみち)
建築家・不動産投資家
KUROFUNE Design Holdings Inc. 代表取締役CEO
ハーバード大学デザイン大学院で不動産投資と建築デザインを学び、投資理論とデザインの力を融合させたユニークな不動産投資を行う。
鹿島建設入社4年目に不動産投資を開始。数々の不動産投資セミナーに足を運び、不動産関連書籍を数十冊読破。そんな中で出会ったメガ大家集団をメンターに持ち、指導を仰ぎながら不動産投資をスタートする。最初に行った東京・神楽坂での新築マンション開発では超狭小地に苦労し、辛酸を舐めつつも独自の不動産投資スタイルを確立する。現在5棟の超優良物件を保有。保有物件の中では投資額が4年間のうちに26倍になったものもある。
1982年高知県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院卒業後に鹿島建設入社。
大学院卒業時にリゾートホテル開発プロジェクトにより早稲田大学小野梓芸術賞を受賞。
同社では国内外で建築設計や大規模な都市開発業務に従事。鹿島建設社長賞、グッドデザイン賞、SDレビュー賞などを受賞。2016年、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)へフルブライト留学。2018年、GSD不動産デザイン学科を卒業、外資系不動産ファンドでの投資業務を経験した後、KUROFUNE Design Holdings Inc.(デザイン事務所兼不動産ファンド会社)を創業し独立。現在はハーバード学生寮生活で得た原体験をもとに、住まいと学びを融合させた国際学生寮「U Share」を開発運営する。また、慶應義塾大学SFC特任講師、早稲田大学特任講師として「不動産デザイン」について教えている。初の著書に『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』(ダイヤモンド社)がある。