ロシアに対する警戒が高まる中、欧州諸国の一部はここにきて、バイデン米政権にならい、強硬姿勢に傾きつつある。一方、主要国のフランス、ドイツは対話重視をなお崩しておらず、域内で温度差が生じている。ロシアは足元、ウクライナ国境付近で軍備増強に動いているほか、反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の健康問題を巡っても、各国との緊張を高めている。こうした中、チェコ共和国とポーランドはこのほど、ロシア政府が両国内で違法行為をしていたとして、ロシア外交官を追放した。バルト3国など一部の欧州連合(EU)諸国は、ロシアがウクライナ国境付近やクリミア半島に集結させている大量の兵士を動員して隣国に攻撃を仕掛けるようなことがあれば、厳しい制裁を下すと明確にけん制すべきとの立場だ。