今年は二酸化炭素(CO2)排出量が大幅に増え、昨年の急激な減少分を取り戻す勢いとなっている。国際エネルギー機関(IEA)が20日公表した報告書によると、今年のCO2排出量は4.8%増加し、2010年以来の大幅な伸びとなる見通し。世界金融危機から経済が立ち直りつつあった2010年は過去最大の増加率を記録した。IEAによると、2020年は5.8%の減少だったと推定される。これは第二次世界大戦後の最も大幅な減少率で、気候変動研究者は新型コロナウイルスによる封鎖が環境問題に好機をもたらすかもしれないと期待していた。だがCO2排出量は再び上昇に転じている。世界各国でコロナワクチン接種が進められる中、米国や中国など主要国では需要が力強く戻っており、炭素集約型の燃料に回帰する国も出始めている。