電子コミック市場は今後も拡大
国は海賊版への取り締まりを強化

「デビューの機会を創出することで、頑張っている作家を支援したいと考えています。出版社も作家も、当社のようなプラットホームも含めて、業界全体が伸びていくことが何より大切なことです。市場調査を見ると、電子コミックは今後も拡大していくことは間違いないでしょう。ただし、質の高いコンテンツを確保できるかがポイントになります。読者に楽しんでもらえる良い作品を今後も供給していきたい。そう考えています」

 新型コロナウイルスによる巣ごもり需要拡大を受け、まんが王国は昨年、大きく売り上げを伸ばした。運営元のビーグリーの通期決算(2020年12月期)は、売上高123億7000万円(前年同期比19%増)、営業利益11億3000万円(同38%増)を記録した。

 長らく出版業界を悩ませた書籍や漫画の海賊版サイトは、今年1月、改正著作権法の施行により取り締まりが強化された。今後は読者が海賊版と知りながらダウンロードをすれば、犯罪として処分されることになる。

「頑張っている作家に正当な収入を還元し、成長を支援したいと考えています。海賊版がはびこる今、業界全体がより健全な発展を遂げるために、当社も海賊版対策と、より一層の作家支援を続けていきたいと思います」

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))