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ポストコロナ時代を見据えて
示唆に富む茶道の視点

 2年前から日本文化を学び思索するため、表千家の茶道教室に通っている。筆者はお点前が苦手なので、茶道の思想などについてお茶を飲みながら教えてもらっている。茶道の深い思想はビジネスにも役立つことが多いと感じてきた。

 その教室では、コロナ禍が始まって濃茶(こいちゃ)の稽古はなくなった。毎回茶碗を清める薄茶(うすちゃ)と違って、濃茶は客の間で回し飲みをするため、感染リスクがあるためだ。

 2021年は茶道において重要な行事である「初釜式」も三千家(茶道の主要な家元である表千家、裏千家、武者小路千家)で中止された。コロナ感染拡大によりどの茶道も大変に苦慮している。

 しかし、ネガティブなことだけではない。

 茶道を通じて、ポストコロナ時代を見据えた社会に向けて、異質な他者への配慮や簡素な生活、自然との共生などについて改めて多くの示唆を得た。コロナ禍によって改めて茶道の価値が世界に知られるのではないかとすら思うほどだ。そこで、コロナ禍で苦しむ我々に今後の参考となる茶道の視点を、私なりにひも解きたいと思う。