京都市役所Photo by Masataka Tsuchimoto

内部告発した京都市職員が処分取り消しを求める裁判で市に勝ったにもかかわらず、勝訴後に改めてけん責処分を受けた。告発者の保護規定を拡張した改正公益通報者保護法が2022年6月までに施行されても、告発者を脅かすグレーゾーンは依然残る。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

内部告発者の勝訴で懲戒処分取り消し
勝訴後に今度はけん責処分

 京都市は2015年12月、男性職員(50歳)に対して停職3日の懲戒処分を下した。職員は性的虐待事案の相談を京都市児童相談所が放置した疑いを内部告発(公益通報)しており、その証拠として児相の相談記録を持ち出すなどしたからだ。

 この職員は処分の取り消しを求め、市を相手取って提訴した。京都地方裁判所、大阪高等裁判所は「停職3日は重きに失する」とし、職員は勝訴。21年1月に最高裁判所が市の上告受理申し立てを退け、職員の勝訴が確定した。

 ところが市は4月13日、職員に対し、改めてけん責処分を出した。判決が男性職員の一部の行為(記録の自宅への持ち出しなど)は懲戒事由に当たるとしたため、市は「公益通報と関係のない行為に対して処分が可能」「通報目的があるとしても違法性は阻却されない」と判断したようだ。

 当該の職員は、勝訴後の処分に対する憤りをダイヤモンド編集部に語った。