DX人材になるための7つのポイント

 DXプロジェクトに適している人材の要件を最後にまとめておきましょう。特に文系の新入社員は、これら7つのポイントを強く意識して動き続けることで、より社内での活躍の機会が増えるし、自分の市場価値も高まっていくと思います。

(1)課題発見力が高い

 解決した場合に、よりインパクトの大きなビジネス課題を見つけられるというのがマストのスキルです。

(2)各デジタル技術でどんなことができるかを知っている

 基本的なことはもちろん、次々と新しいテクノロジーやツールが出てくる中、課題に対する解決策の幅を持たせるという意味では、最新技術で何ができて何ができないのか、敏感にキャッチアップして引き出しを増やしていくことが求められます。

(3)課題の「定量化」ができる

 ビジネスの指標や経営上の数値(お金や時間、人数など)を踏まえて考えないと、大きな成果に結び付く課題は発見できないでしょう。

(4)自発的、積極的である

 DXは全社的な「変革」にも及ぶプロジェクトですから、「やらされている人」に推進できるはずがありません。

(5)巻き込み力がある

 当然ですが、プロジェクトは一人ではできません。特にDXでは全社員をマネジメントする必要も出てくる。なので、現場には現場の言葉、経営層には経営層の言葉で説明できる「変換力」、つまり高いコミュニケーション能力が求められます。またエンジニアに対しては、技術面よりもビジネス面の「目的」を明確に言語化して伝えるスキルが重要になってきます。

(6)アジャイル型のマインドセット

 DXプロジェクトには小さな失敗がつきものですが、それを大きな失敗にしないように俊敏に対応しないといけない。要は、失敗を恐れない実験主義とそこから学び続ける学習主義が大事になります。また、DXは顧客への提供価値の向上が大きな目的です。なので、顧客を第一に考えてアジャイル的、つまり俊敏に対応することが重要になります。

デジタル技術で、新たな価値を生み出す DX人材の教科書デジタル技術で、新たな価値を生み出す DX人材の教科書』
石井大智/鶴岡友也 著
1650円
(朝日新聞出版)

(7)妄想力、構想力がある

 言うまでもなく、課題とは「理想と現実のギャップ」です。あるべき理想像を豊かに描けなければ、さまざまなビジネス課題に気づくことさえできないでしょう。

 以上、7つのポイントを挙げましたが、最も重要なのは(1)の課題発見力です。先にも少し述べましたが、社歴が長くなればなるほどバイアスが強固になって、社内の課題も見えにくくなります。なのでバイアスゼロの新入社員のうちに、徹底的にこのスキルを磨き上げて、DX推進の主役を目指してほしいと思います。

AERA dot.より転載