インドの首都ニューデリーから香港行きの飛行機に家族と共に搭乗したラシダ・ファティマさんは不安に駆られた。インドでは新型コロナウイルス感染が急増している上に、飛行機はほぼ満席状態だったからだ。ファティマさんと夫、2人の子供たちは着陸から2週間以内に、隔離中のホテルで受けたコロナ検査で陽性となった。このフライトUK6395便では、乗客の3分の1超にあたる52人がこれまでに陽性となり、香港着の便で最多を記録した。集団感染の発生を受け、香港の医療専門家の間で感染経路を巡る議論が高まり、旅行再開を目指す航空業界の苦境が浮き彫りになっている。ファティマさんは病院からインタビューに応じ、4月3日のフライトで一家が感染したのかもしれないと語った。フライトの間はほとんどマスクを着用し、トイレの使用は避けていたにもかかわらずだ。