ニューヨークの高級レストラン「イレブン・マディソン・パーク」による最近のソムリエの求人広告には、卓越したワインの知識や50ポンド(約23キロ)の重さを持ち上げられる力など、必要スキルが列挙されている。採用条件の最後に挙げられているのは、新型コロナウイルスのワクチン接種だ。米雇用市場が熱気を帯びる中、ケンタッキー州ルイビルの機械作業員からヒューストンのオフィス職員、マンハッタンのウエーターにいたるまで、応募者はワクチンの接種を済ませるか、採用後30日以内に接種を受ける意志を示すことが求められるようになっている。ワクチン義務化はまだ始まったばかりで、現時点で何社が義務付けしているか見極めるのは困難だ。大多数の企業は義務付けをためらってきた。初期にはワクチンが希少だったことがその理由だが、雇用法専門の弁護士や人事部門の幹部によると、最近では企業は従業員の反発を恐れている。