ソニーグループにとって、新型コロナウイルス禍による追い風は弱まりつつあるが、コンテンツ重視の長期戦略は引き続き奏功するだろう。ソニーが28日発表した2021年3月期連結決算は、利益が過去最高を更新した。巣ごもり需要に支えられ、最高益となったゲーム事業が全体をけん引した。ソニーが昨年11月に発売した据え置き型ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」は、累計販売台数が780万台に上っており、発売日から同期間で比較した販売ペースはPS4の実績を上回っている。半導体不足による部品ひっ迫の制約がなければ、さらに販売台数を伸ばしていただろう。1-3月期のゲーム事業の営業利益は前年同期比29%減少した。PS5投入に絡む販促費に加え、ゲーム機がコストを下回る価格で販売されていることが要因だ。