各出版社の編集者に対する挑戦

寺田:おっしゃるとおりですね。今回、出口さんの最高コンテンツを、どうやって読者とつなげられるかという壮大な実験を通じ、百々さんからたくさん学ばせていただきました。

営業・宣伝部と緊密に連携しながら、現場を知り尽くす書店員さんの意見に耳を傾け、最終的には自分の頭で判断することが大切だと思っています。

百々:僕が一番嫌なのは、出口さんの本が後世に残らないことです。出口さんの本はどの本も後世に残してほしい。だからその覚悟で、編集の方々にはつくっていただきたいと思っています。

今回、寺田さんがA5判ハードカバーで世に出したことは、僕は「宣言」だと思っているんです。この本は、各出版社の編集者に対する“挑戦”ですよね。

寺田:編集者への挑戦!? たしかに、そうなのかもしれませんね。今、振り返ってみると、よく反対意見が出なかったなと思います。僕が社長だったら真っ先に反対していたでしょう。僕は器の大きい野武士集団に囲まれて幸せです。

百々:「自分ならこれがつくれるけど、みんなどう?」という挑戦であり、宣言ですよね。その結果として、もう数字でも出ていますけれど、この本は絶対、これからも残っていきます。

出口:僕、昔は、自分で本を書くようになるなんて夢にも思わなかったんですね。でも出版社のみなさんが出してくださいと言うので、いろいろ本を出しています。その過程で百々さんのような方にお会いできたということは、僕の人生で、本当にうれしいことですね。

 過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。

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