米国経済は今後1~2カ月のうちにコロナ禍が起きる前の規模に戻るだろう。だが、米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とするような回復にはまだ遠い。投資家は、FRBがその目標に到達するまでぶれることはないと考えていた方がよいだろう。米商務省は29日、第1四半期の国内総生産(GDP)が年率換算で前期比6.4%増加したと発表した。米国でのコロナ第1波が収まり始めた昨年5月から始まったとみられる景気回復が続いている形だ。コロナ禍が始まる前の2019年第4四半期の水準を0.9%下回った。IHSマークイットが調査したエコノミスト予想によると、第2四半期のGDP成長率は年率換算8.3%とみられている。これは実質的に2%の伸びに相当し、GDPは間もなく2019年第4四半期の水準を上回ることになる。もちろん、コロナ禍がなければGDPはほぼ確実にこれよりも高くなっていただろう。米議会予算局(CBO)が推定するGDPの潜在成長率(経済の適正水準を評価したもの)に達するには、年内にGDPが現在より3.6%増加する必要がある。