「首都圏の住宅価格」が、公示地価は下落傾向でも上昇し続ける理由Photo:PIXTA

国土交通省が3月に公表した公示地価は全国的な下落傾向となった。だが、首都圏などの住宅価格は上昇傾向が続いており、住宅価格の二極化が進んでいる。こうした中、東京都では流出する人口が流入する人口を上回る状況になるなど、コロナ禍は経済格差を浮き彫りにしつつある。(LIFULL HOME’S総合研究所・副所長チーフアナリスト 中山登志朗)

公表された公示地価の
4つのポイントとは

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。コロナ感染の拡大から1年以上を経過し、ワクチン接種も遅々として進まない中、国民の自粛やテレワーク対応などの行動変容に頼るだけの政策はすでに限界を迎えているようにみえる。

 一方、経済活動の停滞によって不動産業界にも比較的大きな影響が表れているが、高い水準で推移する株価を背景に、不動産取得・開発に関する意欲は物流セクターで極めて旺盛であり、新築住宅市場も急回復しつつあるものの、中古住宅市場が一部で沸騰する状況にもなっている。