中山登志朗
2023年1月末に22年の「住民基本台帳人口移動報告」が発表された。この発表は都道府県単位、もしくは圏域、政令市単位での人口の社会増減を調査したものだ(外国籍の人口移動含む)。

温室効果ガスの排出を抑制しこれ以上の地球温暖化を防ぐこと、これが現在の世界的命題となっている。2021年10月31日から2週間、英国グラスゴーで気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が開催され、2016年に発効したパリ協定(日本は2017年11月締結)における“1.5℃努力目標”達成に向けてその経過点である2030年までに“野心的な気候変動対策”を条約締結国に求めることが決まった。

2022年7月20日および21日両日にわたって開催された日銀の金融政策決定会合では、金融緩和政策の維持・継続が決まった。長期金利の上昇傾向を受けて、金融機関が提供する住宅ローン金利にも影響が出始めている。良く知られるように、住宅ローンの固定金利は長期金利と連動しており、変動金利は短期金利と連動しているから、新発10年物国債の金利が0.25%を超えるような水準に達すれば、固定金利も上昇基調で推移することになる。

まん延防止等重点措置が解除され、コロナ禍がようやく収束に向かいつつある状況となった2022年4月中旬、最高裁で今後の相続税の課税基準に関する注目の判決があった。 結果的には、この判決によってこれまで相続税対策として半ば当然のように実施されてきた諸々の手段が(もちろんケース・バイ・ケースだが)通用しなくなる可能性が高くなったことに、不動産業界だけでなく、税理士法人や信託銀行、証券会社など金融業界も大きな衝撃を受けている。

西暦2000年になるとコンピュータが誤作動する恐れがあるとされた「2000年問題(Y2K問題)」以降、「オフィス2003年問題」「国債償還期限2008年問題」「生産緑地2022年問題」など、毎年のように「20××年問題」と、火のないところに煙を立てるかのような話題作りが続けられてきた印象がある。

2021年の不動産・住宅市況は年末年始のコロナウイルス新規感染者の急増を受け、緊急事態宣言の発出で幕を開けた。2008年のミニバブルがはじけて以降、近年まれにみる最悪の船出と言えなくもないが、それでもコロナ前と同様に都市部への人の流入は発生しており、住宅ニーズという点では業界全体に与える影響は比較的軽微なものにとどまったと言うべきだろう。

アスベスト(石綿)は極めて細かい天然の鉱物繊維(直径0.02~0.08μm程度と髪の毛の約1/5000の細さ)の総称で、体内にいったん吸い込むと排出されずに長く肺にとどまり、肺の線維化や肺がん、悪性中皮腫(胸膜や腹膜などにできる悪性腫瘍)などを引き起こす厄介者だ。

2022年度の税制に関しては、住宅ローン減税が大きく変わるとされている。その主な要因は、ここ数年10%への消費増税対策として、またはコロナ対策との大義名分で拡充され続けてきた減税の方針にある。

コロナの感染拡大が長期化する中、人々の住宅ニーズが徐々に変わりつつある。テレワークやオンライン授業などが主流となるであろうアフターコロナに向けて、「住みたい街」と「住みたい家」を正しく選ぶにはどうすればいいのだろうか。

7月3日に静岡県熱海市で起きた土石流被害で、起点付近に大量の盛り土があったことが問題視されている。国土交通省は今年3月に盛り土造成地の安全対策を加速すると公表したが、年を追うごとに自然災害が深刻化する中、全国の盛り土の総点検と抜本的な対策が急務だろう。

世界的規模でコロナウイルスの感染拡大が続く2021年3月、ウッドショックという言葉を不動産業界、建築・土木業界で突如として耳にするようになった。これは主に木造住宅などで使用される柱や梁用の木材の供給が逼迫(ひっぱく)し始めて、価格の高騰によって現状の想定価格では住宅が建設できなくなる可能性が出てきたという「木材価格の高騰・急騰」を示す言葉だ。1970年代に発生した「オイルショック」になぞらえた言葉だという。国土の多くを山林が占める日本で、なぜウッドショックが起きるのか。その原因と今後の課題について解説する。

コロナ禍の終息がいまだ見えない中、都市郊外などへの移住を考える人は増えつつあるようだ。だが、実際に移住する人が増えるかどうかは、テレワークの普及・定着次第。今回は、さまざまなデータを使い、地域や企業規模などによる「テレワーク格差」の実態を示すとともに、今後、首都圏で加速すると思われる居住エリアの二極化について解説する。

国土交通省が3月に公表した公示地価は全国的な下落傾向となった。だが、首都圏などの住宅価格は上昇傾向が続いており、住宅価格の二極化が進んでいる。こうした中、東京都では流出する人口が流入する人口を上回る状況になるなど、コロナ禍は経済格差を浮き彫りにしつつある。

コロナ禍で大きく変わる不動産・住宅市場。一番大きく変化したのは居住者・購入者の意向だろう。今回は東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京オリパラ)開催に揺れる選手村跡地のマンション「HARUMI FLUG(晴海フラッグ)」の問題と、その価値をどう考えるべきかについて考察する。

第525回
4月の消費増税以降、半年以上が経ってもマンション市場が回復しない。そんななか、一人勝ちの様相を呈しているのが、都心のタワーマンションだ。外国人が買い支えているほか、相続税対策のために購入している日本人富裕層が多数いる。しかし、安易に考えて飛びつけば、思わぬやけどを負うことになりかねない。
