突然の減便要請に、鉄道事業者の間にも困惑の声が広がった。読売新聞(オンライン版)は、大手私鉄関係者の「あまりに急な要請で、乗客に十分な周知ができない」との恨み節を紹介しており、朝日新聞(デジタル版)も、私鉄関係者の「新ダイヤで終電が繰り上げられたばかり。これ以上繰り上げれば医療従事者などエッセンシャルワーカーに迷惑がかからないか」との懸念を報じている。

 深夜時間帯の列車は翌日の運行に備えた車両や乗務員の送り込みを兼ねているため、列車の運行を取りやめるとダイヤに影響が生じてしまう。ダイヤを維持したまま終電を繰り上げるとなると、今年1月の緊急事態宣言の際にも見られたように、それまで営業列車として走らせていた列車を回送列車に変更し、乗客を乗せない対応を取らざるを得ない。

 しかし、昨年と比較して終電時刻は既に30分程度、繰り上げられている。周知期間をほとんど取ることが出来ない中では、これ以上の繰り上げは影響が大きすぎるとして、終電の再度の繰り上げは見送られたとみられる。

JR東日本は減便により
混雑する列車も

 とはいえ、政府の要請をむげに断るわけにもいかず、結局、鉄道各社はゴールデンウイーク中の平日にあたる4月30日、5月6日、7日の列車本数を削減することで要請に応えてみせた格好だ。ただ、その中身をみるとJRと私鉄には温度差があったようだ。

 JR東日本は朝の通勤時間帯に、山手線(全線)、京浜東北線(大宮~桜木町間)、中央線(東京~八王子間)、中央・総武線各駅停車(三鷹~千葉間)、青梅線(立川~河辺間)、常磐快速線(上野~取手間)、京葉線(東京~蘇我間)で運転本数を概ね8割程度に減便し、夕方の通勤時間帯でも、山手線(全線)、京浜東北線(大宮~蒲田間)、中央・総武線各駅停車(三鷹~津田沼間)で運転本数を概ね9割程度に減便する措置をとった。