『世界一受けたい授業』など多数のメディアで注目されている“HSP(Highly Sensitive Person)”をご存じでしょうか?「些細なことが気になって疲れてしまう」「真面目すぎる」など、個人の性格だと思われてきたものが、研究によって、実は「生まれつき繊細な人」が「5人に1人」の割合でいることがわかってきました。
発売から立て続けに重版し、累計10万部を突破したHSP専門カウンセラー・武田友紀氏の『今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト』(ダイヤモンド社刊)では、そんな生まれつきの気質を持つ「繊細さん」が、「繊細さん」だからこそ深く味わえる幸せに気づき、伸ばしていくコツを紹介しています。本記事では、同書より一部を公開します。(こちらは2020年5月27日の記事の再掲載です)
感覚のちがう人と人間関係を築くには
職場でも、友人やパートナーに対しても、気持ち良い人間関係を築くポイントは「自分も相手も自由にしておくこと」です。
相手とケンカになるときや、やりとりがしんどいときは、もしかしたら根底に「わかりあいたい」という思いがあるのかもしれません。「わかりあいたい」と言いながら、「私と同じ考え方や感じ方をしてほしい」と求めてしまっていることも、ままあります。
「わかりあうこと」を手放すと、考え方や感覚のちがう相手ともいい関係を築くことができます。
わかりあえること、すなわち、お互いに理解し共感しあえることは、パワーをもらえる大切なこと。ですが、全員とわかりあうことは無理がありますし、たとえ家族や友人であっても、すべてにおいてわかってもらうことはできません。
「わかりあいたい」という思いが強いと、相手に振り回されたり「どうしてわかってくれないの?」と歯がゆい思いをしがちです。
「わかってもらいたくて何度も伝えるけど、わかってもらえない」というときは、目標を「わかってもらう」から「情報提供」に切り替えてみてください。
「わかってもらおう」「納得してもらおう」とするのではなく、「私はこう思う」と、ただ屈託なく情報を提供するのです。
「わかってほしい」「共感してほしい」「納得してほしい」などは、すべて相手に対するコントロールです。相手を変えようとすれば反発を招きます。自分の考えや、やってほしいことを伝えるところまでが、自分の領分。伝えられたことに共感するかどうか、納得するかどうかは、相手の領分。相手が自分で決めることなのです。
「私はこう思う」と伝えて、わかってもらえるときもあるし、わかってもらえないときもある。両方あっていいんです。
「わかって!」という相手に対するコントロールを手放すと、自分も相手も自由になります。考え方や感覚のちがう人たちともさっぱりした関係を築けるようになり、たくさんの人たちと出会っていけますよ。
(本原稿は『今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト』武田友紀著の抜粋です)