カキフライ写真はイメージです Photo:PIXTA

昨年12月、東京・虎ノ門にある商業施設「虎ノ門ヒルズ」に珍しい自動販売機が設置された。売られているのは、冷凍のカキフライや、生食用カキのハーフシェルだ。飲食業界はコロナ禍となって以降、ECサイト販売やフードデリバリーサービスを充実させてきたが、このカキフライ自販機はそれ以前からの地道な取り組みによって生まれたものだった。(清談社 鶉野珠子)

カキフライ自販機を
開発した理由

「カキフライの自動販売機を開発した理由は、コロナウイルスの感染拡大とまったく関係がありません」

 そう話すのは、カキフライ自販機を設置した「株式会社 ファームスズキ」の鈴木隆社長。ファームスズキは瀬戸内海にある離島、広島県の大崎上島町で塩田跡を活用し、カキと車エビを養殖している。自社の製品を「自販機で売ろう」と考えたのは、今から3年前のことだった。