テレビなど各種メディアで話題となり、日本人の食生活を変えた90万部超の大人気ベストセラーシリーズ待望の最新刊『医者が教えるダイエット 最強の教科書』が刊行された。20万人を診た糖質制限の名医・牧田善二氏が、最新の医学的エビデンスに基づき、最も効果的なダイエット法をわかりやすく解説するだ。「食欲をガマンしない」「キツい運動はしない」「お酒を飲んでOK」などダイエットの常識が次々と覆される。本稿では、本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

医者が教えるダイエットPhoto: Adobe Stock

リバウンドの原因は「糖質中毒に冒された脳」

 太っていた人がやせてとてもきれいになり、周囲を驚かせることがありますね。

 でも、彼らはたいてい、再び周囲を驚かせます。

「あれだけ苦労してやせたのに、なんでまた戻ってしまったの」と。

 おそらく、本人も残念でたまらないはずです。

 ガマンしてガマンしてやせたのに、そのすべてを水の泡にしてしまう原因は、「糖質中毒に冒された脳」を治していないからです。

 どれほどダイエットにはげんだとしても、糖質中毒に冒されていると、脳から「もっと糖質を摂取せよ」という強い指令が出てしまい、あなたはその通りに行動するしかありません。

 糖質に限りませんが、中毒症状から脱け出そうと思ったら一時的ではダメ。完全に抑えることが必要です。

 つまり、リバウンドしないダイエットには「完全に抑えたか」の見極めが必要で、それにかかる時間をきちんと把握することが求められます。

「太りにくい生活習慣」を定着させることが最重要

 脳は、とても緻密な器官であると同時に、変化には時間がかかります。

 2009年にイギリスで行われた研究では、脳が新しい習慣を受け入れるまでに平均66日かかることがわかっています。

 とくに、ダイエットは短期集中は失敗します。

 糖質中毒はコカイン中毒の8倍も依存性が高いという報告がなされています。

 この現実をふまえない限り、リバウンドを防ぐことはできません。

 正しい知識のもと、きちんと必要なプロセスをふんだ人だけが、ダイエットに成功するのです。

ダイエットのやる気は、最初からアテにしない

 ダイエットは「意志の強さ」や「モチベーション」で解決するものではないということを自覚し、科学的なアプローチを試みましょう。

 詳しくは第2章で述べますが、本書では、肥満度合い(=糖質依存症度合い)に応じて3つの段階に分け、それぞれ最も適した糖質制限を行ってもらいます。

 いずれも、「応用行動分析」という学問の流れに従い、行動を変容させていくことが重要になります。それによって脳を変えていくのです。

(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)