中国の汚職撲滅運動では、著名政治家から下級役員まであらゆる人物が標的となってきた。最近では、当局がこれまで見逃したか追及を見送ったとみられる過去の不正疑惑にも捜査のメスが及んでいる。共産党の捜査員は過去1年、汚職などの不正疑惑を数十年前までさかのぼり、ベテラン当局者や元当局者を相次ぎ捜査している。過去にさかのぼる汚職捜査は、まず中国有数の石炭産地が標的となって注目を集め、その後全国に広がっていった。中国北部・内モンゴル自治区の当局は、20年前の石炭絡みの汚職疑惑を追及するため2020年春に捜査を開始して以降、60~70歳代の元当局者数十人を拘束した。この中には14年余り前に引退した当局者も1人含まれる。ここ数カ月では、複数の都市の司法機関が30年前までさかのぼって、禁錮刑の減刑や執行猶予の判決を見直すと明らかにした。また北京市は5月、全国的な組織犯罪撲滅の一環として、過去の事件を再捜査する枠組みを構築するよう公安機関に指示した。
中国が「反腐敗」強化、死者さえ追及
数十年さかのぼり捜査、引退した元当局者も対象
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