退職金にも
還付金が生じるケースとは?

 退職金は、勤続年数に応じた退職所得控除が計算される。勤続年数が20年以下であれば「40万円×勤続年数」、20年を超えるのであれば「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」だ。例えば勤続年数が10年であれば「40万円×10=400万円」、30年であれば「800万円+70万円×(30-20)=1500万円」となる。

 退職金の支給額からこの退職所得控除額を控除した残高を2分の1にした金額(1000円未満の端数は切り捨て)が、課税退職所得金額だ。これに応じて退職金に対する源泉徴収税額は決まるのだが、課税退職所得金額が195万円を超えている場合はまたしても控除額が計算される。税額は「(課税退職所得金額×所得税率-控除額)×102.1%」で、所得税率は課税退職所得金額によって5~45%と課税退職所得金額が上がるほど税率も上がる。その一方で、控除額も9万7500円から479万6000円まで上がる仕組みだ。

 ややこしい説明をしたが、退職金は控除などが手厚く施され、あまり税金が高くならないようになっているのである。

 例えば勤続30年で退職金が2500万円だとしよう。上記で計算した通り、退職所得控除額は1500万円だ。退職金2500万円なので「(2500万円-1500万円)÷2=500万円」で、課税退職所得金額は500万円となる。この場合、所得税率は20%、控除額は42万7500円になるため、「(500万円×0.2-42万7500円)×1.021=58万4522.5円」という計算結果となる。1円以下の端数は切り捨てとなるので、58万4522円が源泉徴収されるのだ。

 所得税は所得金額によって5~45%の税率がかかる。例えば上記と同じ退職金2500万円に対して、所得税ならばいくら徴収されるのかを考えてみたい。2500万円であれば所得税率は40%、控除額は279万6000円であるため、税金は720万4000円だ。比較してみると、退職金が税金の面でいかに優遇されているかが分かる。そのため、退職金には還付金が生じないとみられることも多い。