偽造ワクチンを販売する詐欺もある

 海外では、新型コロナウイルスのワクチンを注射器ごと販売する、というダイレクトな詐欺も多発している。届かなければ金銭被害だけで済むが、実際に届いてしまうと健康被害を受ける可能性もある。

 中国では2021年3月にワクチンを偽造していたグループが摘発された。生理食塩水をワクチンと言って売りさばいていたのだ。あまりに売れまくるので食塩水が足りなくなり、ただの水を入れているケースもあったそう。そんなものを購入して自分に打つのはリスクでしかない。

 ショッピング詐欺はコロナ禍関連だけでなく、あらゆる商品で行われている。相場よりも明らかに安かったり、手に入りにくい激レア商品が普通に売られている場合は、まずはネット詐欺を疑うリテラシーを身につけよう。

サイバー犯罪者は、通常の検索エンジンなどではアクセスできないアンダーグラウンドなWebサイトで活動している。こうしたサイトを探すと、ワクチンの販売ページが見つかる。サイバー犯罪者は、通常の検索エンジンなどではアクセスできないアンダーグラウンドなWebサイトで活動している。こうしたサイトを探すと、ワクチンの販売ページが見つかる 写真:柳谷智宣
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あらゆる手口でお金を振り込ませようとするコロナ詐欺

 もちろん、直接お金をだまし取ろうとするネット詐欺も多発している。全国民に10万円を給付した「特別定額給付金」では、マイナンバーを取得していないために手続きが遅れて困っている人が多かった。そこに、区役所や総務省をかたって、「手数料を振り込めば、すぐに給付する」というネット詐欺が発生した。

 給付金の他にも、「コロナ対策の助成金が出るので、その手続きを代行する」といった手口もある。助成金については、ニュースで頻繁に取り上げられているので、あり得そうに思えてしまうのが危険なところだ。