読書によって語彙力や読解力が高まり知的発達が促進されるということや、読書することによって神経繊維の発達や言語性知能の向上がみられることが実証されているものの、ゲームを長時間してしまうと、その後に読書をしても、その効果が減ってしまうというのである。

 このように、ゲームが知的発達を阻害することが、脳画像によっても実証されているのである。言語性知能が低くなり、記憶、自己コントロール、やる気などと関係する脳領域の発達に遅れがみられるのでは、学習がスムーズに進むとは思えない。

中高生のスマホ依存・ネット依存が進んでいる

 厚生労働省の研究班が2012年に中高生を対象に実施した調査では、ネット依存を強く疑われる者が中学生6.0%、高校生9.4%であり、合わせて52万人と推定された。それでも相当高い数値となり注目されたものだが、それから5年後の2017年に実施された調査では、中学生12.4%、高校生16.0%であり、93万人と推定された。5年間で、ネット依存を強く疑われる中高生が8割近くも増えているのである。

 ネット依存にはゲームをする者が多く含まれていると思われるが、ゲームばかりでなくスマホをいじること自体の弊害についても、世の親は耳にする機会が多いことと思う。

 先ほどの川島と横田の研究グループは、小学校5年生~中学校3年生を対象に、スマホの使用時間と学業成績の関係についての調査を行っている。

 その結果、スマホの使用時間が長いほど成績が悪いことが判明した。恐るべきことには、1日2時間以上勉強していても、スマホ使用が4時間以上になると、スマホをやらないけれども勉強時間が30分未満の子より成績が悪いのだ。