テレビなど各種メディアで話題となり、日本人の食生活を変えた90万部超の大人気ベストセラーシリーズ待望の最新刊『医者が教えるダイエット 最強の教科書』が刊行された。20万人を診た糖質制限の名医・牧田善二氏が、最新の医学的エビデンスに基づき、最も効果的なダイエット法をわかりやすく解説するだ。「食欲をガマンしない」「キツい運動はしない」「お酒を飲んでOK」などダイエットの常識が次々と覆される。本稿では、本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

医者が教えるダイエットPhoto: Adobe Stock

カロリーと体重の増減は、関係がない

「摂取カロリーより消費カロリーが下回れば太る。逆であればやせる。当たり前のことではないか」

 このような理屈が、長い間あたかも理論的なことのように語られてきました。

 こうしたカロリー信奉者は、「食べ物のカロリー」と「日常的な活動(運動含む)で消費するカロリー」を計算し、「やせたければ摂取カロリーを控えなさい」と訴えてきました。

 しかし、ことはそんなに単純ではありません。

 1990年から20年間にわたって行われたアメリカの大規模な調査で、「摂取カロリーの増加と体重の増加には相関関係はない」という結論が出ています。

 この調査期間中、アメリカでは肥満は増え続けているのに、人々の摂取カロリーにはほとんど変化は見られなかったというのです。

 イギリスでも同様の結果が出ており、こちらはむしろ、摂取カロリーは減っているのに肥満は増えていたと結論づけられています。

 どうして、そんなことが起きるのでしょうか。

カロリー計算がナンセンスなワケ

 私たちの体は「代謝」という重要な作用を絶えず行っているからです。

 細胞の刷新、消化や排泄、心拍や体温の維持など、さまざまなことにエネルギーが使われ、しかも、その消費量は置かれた状況によって変化します。

 また、摂取カロリーを減らせば、体が自らエネルギー消費を調整し、あまり使わなくなるということも起きます。

 つまり、一概に「○カロリー使った」などと計算できるものではありません。

 カロリー計算を行い、空腹を我慢しながら摂取カロリーを抑えるというのは、ダイエット法としては極めてナンセンスなのです。

しっかり食べることで健康的に減量できる

 摂取するカロリーが「何によるか」で太るかどうかが決まるのです。

 カロリーを得ることができるのは炭水化物、タンパク質、脂肪の3つです。

 繰り返しますが、あなたを太らせるのは炭水化物です。

 それを控えれば、空腹をガマンする必要などありません

 タンパク質や脂肪をたくさん摂っても決して太りません。

 むしろ植物性食品や、質の良い脂肪タンパク質をしっかり摂って、健康的にやせていくのが本来あるべきダイエットなのです。

(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)