東京海上「あべこべ決算」のカラクリ、事故・災害減少でも減益となった理由Photo by Yasuo Katatae

損害保険会社にとって、災害と自動車事故が激減した2020年度は、好業績となる条件がそろった年だった。だが最大手の東京海上日動火災保険は経常減益。その背景を読み解いていく。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

明暗が分かれた損保決算
“もうけ過ぎ”とはならず

「もうけ過ぎだと批判されるのではないか」。

 業界内からそんな声が漏れるほど、好業績が予想されていた損害保険各社。だが大手の国内損保事業を見てみると、増益は三井住友海上火災保険と損害保険ジャパンのみ。最大手の東京海上日動火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は減益と、明暗が分かれた。

 損保決算は、社員でも読み解くのが難しいといわれる。“もうけ過ぎ批判”が杞憂に終わったのは、その証左だろう。そこで損保決算を理解する基礎として、四つの特徴を押さえておこう。