保険の裏 営業の闇#13Photo by Toshiaki Usami

東京海上日動火災保険の福岡県の損保プロ代理店7社が、日本共産党の大門実紀史・参議院議員に駆け込んだ。この件について、広瀬伸一社長は何を語ったのか。特集『保険の裏 営業の闇』(全21回)の#13では、広瀬伸一社長を直撃するとともに、今後の代理店の在り方、さらに、新制度の方向性についても聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫、編集/同編集部 片田江康男)

またぞろ大門議員のところに
損保プロ代理店が駆け込んだ

――昨年の損保ジャパンの代理店に続き、先日、御社の福岡県の損保プロ代理店7社が、日本共産党の大門実紀史・参議院議員のところに駆け込みました。こうした代理店を取り巻く動きについてどのように総括していますか。

 まず、業界を取り巻く環境が変化している中で、われわれはお客さまに安心をお届けする、いざというときにお守りするという使命があります。その中で、専業代理店さん(編集部注:損保プロ代理店のこと)は重要な存在です。将来の方向性を提示しながら、安心を継続して届けていくことをしっかりとやっていきたいと考えています。

 そのためには、代理店さんの強みを高めていくことがとても重要です。強みは何かと考えてみると、一つは損害保険と生命保険をトータルに扱いながら、お客さまへコンサルティングをしっかり提供していくこと。もう一つは、いざというときの損害サービスの対応だと考えています。

 顔が見えて、親しみやすく、頼りがいがあって信頼感がある。そうした代理店さんの強みを発揮していただき、より高みを目指していただきたいと思っています。そのための経営力や組織体制を得るために、われわれは支援をしていきたいと考えています。

――福岡の案件では、現地の東京海上の社員が代理店に対し、時期と統合先を勝手に決めて厳しい態度で詰め寄りました。それがきっかけで、損保各社は代理店からの相談窓口を設置しなければならない事態になっています。