――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  新興国の株式市場は年初に力強いスタートを切った後、ここ数カ月は勢いが失速している。当面はさえない動きが続くと予想する理由はたっぷりある。  先進国市場の株式で構成されるMSCIワールド指数は今年、ドルベースで12%近く上昇しているのに対し、新興国指数は6%高にとどまる。新興国株に重荷となっている幾つかの要因のうち、特に注目すべきものが二つある。  一つ目は、世界の多くの中央銀行に対し、金融緩和策を縮小する圧力が高まっていることだ。