新興国の株式市場は年初に力強いスタートを切った後、ここ数カ月は勢いが失速している。当面はさえない動きが続くと予想する理由はたっぷりある。先進国市場の株式で構成されるMSCIワールド指数は今年、ドルベースで12%近く上昇しているのに対し、新興国指数は6%高にとどまる。新興国株に重荷となっている幾つかの要因のうち、特に注目すべきものが二つある。一つ目は、世界の多くの中央銀行に対し、金融緩和策を縮小する圧力が高まっていることだ。JPモルガンのアナリストは先週、来年3月までに金利を引き上げるとみられる新興国中銀の比率が、1月の19%から38%へ倍増したと指摘した。先進国の中銀ではその比率は11%で、変わっていない。
暗雲広がる新興国株式、回復を期待しにくい理由
緩和縮小の圧力高まる、中国IT企業締め付けやドル先高観も足かせ
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