――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  日本のコーポレートガバナンス(企業統治)改革は、しばしば痛みを伴う長いプロセスとなってきた。だがこのところ、長年指摘されてきた問題に進展がみられる。経営陣の力を強め、リターンを圧迫する傾向のある大規模な株式持ち合いという問題だ。  ゴールドマン・サックスによると、東証1部に上場している非金融企業の3月まで6カ月間の有価証券売却益は、前年同期比92%増の6100億円となった。また、2021年3月期に株式の持ち合いを減らした企業は137社で、前年同期比59%増となっている。