このところ「ソーシャルレンディング」に関連した話題が続いている。ソーシャルレンディングとは、個人投資家に対し、ネット上で特定の資金使途を明示してファンドへの出資を募り、それを企業などに貸す仕組みだ。投資家に約束する利回りは年10%近くなることがある。債務者から担保を取る場合が多いが、元本保証はなく、投資家にとってはミドルリスク・ミドルリターンの金融商品といえる。(東京経済東京支社長 井出豪彦)
貸付先の融資詐欺で
ソーシャルレンディング大手が廃業
ソーシャルレンディングのニュースで一番目立つのは、大手の「SBIソーシャルレンディング」(以下SBISL)の一件だろう。主要な融資先だった再生可能エネルギー関連事業の「テクノシステム」(横浜市西区)の生田尚之社長らが5月27日、東京地検特捜部に融資詐欺容疑で逮捕され、6月16日にも別の融資詐欺と特別背任の疑いで再逮捕された。
昨年11月頃からテクノシステムにはSBISLからの融資が止まっていたため、今年2月末の金融機関の返済ができず、すでに会社は事実上倒産状態にある。4月末の特捜部の家宅捜索を受け、会社側は6月上旬をめどに民事再生手続きでの経営再建を目指すなどと表明していたが、現在社長は勾留されており、当然実現していない。