相続税写真はイメージです Photo:PIXTA

大金持ちは別として、相続税はそれほど怖いものではない。相続税対策の方がコストやリスクが高い場合も多いので注意したい。(経済評論家 塚崎公義)

相続税はそれほど怖くない

 相続税は、所得税などと比較すると、はるかに控除額が大きく、税率も低い。基礎控除額が3000万円+法定相続人1人当たり600万円と大きいのみならず、1000万円までの相続であれば税率はわずか10%である。しかも配偶者には原則として相続税がかからない。

 本稿では、法定相続分通りに相続したという前提で記すことにする。子が2人と配偶者がいる場合、遺産が1億円であっても、相続税は子がそれぞれ158万円(合計316万円)支払うだけである。遺産が2億円であっても各675万円(合計1350万円)だ。

 子が2人いて配偶者がいない場合には、遺産が1億円の場合で各385万円、2億円の場合で各1670万円と若干高くなるが、それでも驚くような金額ではない。

 遺産が数億円以上あるような大金持ちは、税理士らと節税の相談をした方が良いだろうが、1億円程度の遺産であれば、相続税を気にする必要はなかろう。