効率よく仕事を進めたい、アイデアがパッとひらめくようになりたい、うまい受け答えができるようになりたい…。身近にある「こうなりたい」の近道は、ずばり「考え方のコツ」を手に入れることだ。
『グロービス流「あの人、頭がいい!」と思われる「考え方」のコツ33』では、MBAのクラス、学者、コンサルタントなど、「考えることにこだわっている」人たちが日常で使っている、確実に生産性が上がる考え方のコツだけを紹介している。今回は本書から「因果関係で考えるコツ」を特別に公開する。(イラスト:fancomi)
「何をすれば何が起こるか」を知る
因果関係とは原因と結果の関係です。
「毎日ビールを飲んで、他にもプリン体を多く含む食品を食べていた→尿酸値が上がった→痛風を発症した」というのは非常に単純な因果関係です。痛風を治すならば、血中の尿酸値アップの原因となるビールやプリン体を含む食品の摂取を控えることが効果的でしょう。
因果関係は、このように問題解決にも役に立ちますし、「こういうことをすれば、それが原因となってこのような結果を導くだろう」という想像力を働かせることで、施策立案にも活用できます。
上のカットではさまざまな要因が体重増の原因になっていることが読み取れますが、どの原因が特に体重増という結果に効いているのかが特定できれば、効果的なアクションにつながりやすくなります。
ただ、因果関係を明確に示すことはなかなか難しいものです。実験などを通じて条件ごとの比較をしやすい自然科学の分野でさえ、事象の原因がいまだに分からないという例は多数あります。ましてやビジネスの世界では、先ほどのカットの例以上に、いろいろな因果関係が複雑に錯綜しているケースもあります。それゆえ、因果関係の特定は必ずしも容易ではありません。とはいえコツはありますので、それを理解しておくことは非常に重要です。