テレビなど各種メディアで話題となり、日本人の食生活を変えた90万部超の大人気ベストセラーシリーズ待望の最新刊『医者が教えるダイエット 最強の教科書』が刊行された。20万人を診た生活習慣病専門医・牧田善二氏が、最新の医学的エビデンスに基づき、最も効果的なダイエット法を解説する本だ。「食欲をガマンしない」「キツい運動はしない」「お酒を飲んでOK」などダイエットの常識が次々と覆される。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
「減量の停滞期」が訪れるワケ
1日の糖質摂取量を60g以下に抑えることができれば順調に体重は落ちていきますが、2週間もすると減らない時期がやってきます。
私たちの体はブドウ糖をエネルギーとして命を繋いでおり、そのブドウ糖が入ってこなくなることで、体は一時的に「省エネモード」になります。基礎代謝が落ちて、やせないように作用します。
そのため、同じようにダイエットを続けていても、体重が落ちなくなるのです。
でも、それも長くは続きません。その後また、順調に減っていきますから、気にしないで続けてください。
順調に減っては踊り場で停滞、また順調に減っては踊り場で停滞……というのを繰り返していることこそ、正しいダイエットができている証拠だと思っていてください。
「同じようにやっているのに、なぜ減らない?」とやけを起こしてはいけません。
よくあるダイエット失敗パターンとその対処法
ダイエットに励む人たちを見ていて、いつも残念に思うのが、ちょっとした失敗で放り出してしまう事例が多いことです。
ある40代の女性は、62kgあった体重を3ヵ月の糖質制限で58kgに落としました。
目標体重は52kgなのでまだ先は長いですし、途中で体重が落ちない踊り場があるはずですが、上出来のスタートです。
ところが、彼女はどうしても好きなケーキを我慢できなくなり、3日ほど連続して爆食いしてしまいました。
そして、あっという間に61kgまで戻ってしまいました。
やっかいな糖質依存症が治っていないと、こうしたことは起きがちです。
でも、もともと62kgあったのですから、61kgに戻ったとしてもどうということはありません。
また、次の日からやり直せばいいだけです。
しかし、ここで挫折感に襲われ、「もういいや」となってしまう人が多いのです。
彼らは、これまでの自分の努力を台無しにするとわかっていながら、以前よりさらに多くの糖質を摂取し、どんどん太っていきます。
体重が戻ってしまったときには、どうか落ち着いて考えてください。
その地点で留まればまったく問題はありません。そこから、もう一度やり直しましょう。
やけになって、最初の地点よりもさらに太るということだけは避けましょう。
ダイエットは、糖質依存になっている自分の脳との闘いです。こちらが一枚上手になって、「その手には乗らないよ」と脳に言い聞かせてください。
ダイエットを継続するための考え方──医師からのアドバイス
・やせたらどんな良いことが起きるか、あれこれ想像しましょう。
・「絶対にやせる」と誓いを立て、それを紙に書いて貼っておきましょう。
・家族、友人、知人にダイエットを始めたことを宣言しましょう。
・「やせるのは簡単ではない」と自覚しておきましょう。ダイエットは糖質依存症の治療であり、単純に「一時的に食事量を減らせばOK」というものではありません。
・急激にやせることを望まないでください。長期戦に持ち込んだほうがリバウンドせず、結局成功への近道なのです。1ヵ月に1kgでも、10ヵ月で10kgになることを忘れないでください。
・糖質制限を行えない日があってもいいと考えましょう。できなかった自分を責めることはやめましょう。また再開すればなんの問題もありません。
・味覚を正しく変えましょう。糖質中毒を抜ければ、甘いものではなく、野菜など植物性食品の美味しさを感じる舌になっていきます。
(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)