新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続き、「体重が増えた」という人が多いのではないでしょうか。コロナ太り解消に取り組む人にぜひ読んで欲しい1冊が、『医者が教えるダイエット 最強の教科書』です。発売直後からネット書店、リアル書店で売り切れが続出し、即重版が決定。全国で大きな話題を呼んでいます。著者は、生活習慣病の専門医として、膨大な肥満に悩む患者を診てきた牧田善二氏。最新の医学的エビデンスに基づき、最も効果的なダイエット法を解説した1冊です。夏場に向けてダイエットを考えている人へ、本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介します。
体重が落ちて、コレステロールや中性脂肪の値も改善する
私たちは糖質をエネルギーとして生きています。
炭水化物(糖質)の摂取量を減らせばブドウ糖が足りなくなり、まずは肝臓や筋肉に貯蔵したグリコーゲンが分解され使われます。
そして、それが尽きると今度は脂肪が分解され、脂肪酸さらにはケトン体となってエネルギー源として使われます。
ですので、糖質摂取量を減らせば脂肪が燃焼してやせるのです。
では、どのくらいまで減らしていけばいいのでしょうか。
糖質摂取量を1日60g以下に抑えれば、誰でも1日100~200gずつやせていきます。
この数字には明確な根拠があります。
「1日58gという厳しい糖質制限」と「少し減らす程度の緩い糖質制限」の効果を比較した研究がアメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校で行われました。
その結果、緩い糖質制限ではやせる効果はほとんど認められず、厳しい糖質制限では3ヵ月で平均5.5kgの減量に成功しました。
しかも、コレステロールや中性脂肪の値が低下することもわかったのです。
誰でも結果を出せるダイエット
本書では、この結果に従っていきます。
糖質依存症の度合いに応じて異なる段階を踏みますが、最終的には1日の糖質摂取量を60g以下にします。
それによって、誰でも必ずやせていきます。
なお、このときの60gというのは、あくまで糖質量そのものを指しています。
ごはん60gがイコール糖質60gというわけではありません。
たとえば、炊き上がったごはん150g(茶碗1杯分)では糖質55gくらいです。
となると、ランチに丼ものなど食べてはまずいということがわかるでしょう。
逆に、清涼飲料水を飲むくらいなら、その分、おにぎりでも食べたほうが満足感も得られていいという判断も成り立ちます。
このように、知的に計算しながら、1日の糖質摂取量を60g以下に減らしていくのが第一のルールです。
夜の炭水化物が、脂肪に変化しやすいワケ
1日60gという糖質摂取量を決めたとして、それをいつ摂るかによってもダイエット効果が変わってきます。
結論から言って、夜には糖質は摂らないほうがいいのです。
というのも、夕食後は寝てしまうので、体も脳も使わないからです。
体を動かさなければエネルギー消費が減るのはもちろんのこと、最大のブドウ糖消費臓器である脳も休んでいます。
そのため、睡眠中はブドウ糖がほとんど必要とされず、夕食で摂って余った分は脂肪に変えられ貯蔵されます。
だから、ごはんやパンなどの炭水化物を、1日に少しでもいいから食べたいという場合は、朝食か昼食に摂るようにしましょう。
お酒を飲んだ後に、締めのラーメンを食べるというのは最悪の行動です。
夕食で炭水化物を食べ過ぎたときに、すぐやるべき行動
とはいえ、どうしても夕食に糖質を摂取してしまうこともあるでしょう。
そういうときは、食後すぐにかるい運動しましょう。
取引先との接待の席でも、炭水化物や甘いデザート類はなるべく残しましょう。
もし、どうしても食べないわけにはいかなかったとしたら、さりげなくトイレに向かい、2~3分でスクワットを行うなどの工夫をしましょう。
食後すぐのスクワットは血糖値の上昇を抑えることができ、ダイエットに最も効果がある運動です。
もしくは20分間のウォーキングも効果的です。外食でたくさん糖質を摂ってしまった日の帰り道には、少し遠回りをして歩いてみるのはいかがでしょうか。
ダイエットのための運動で最も重要なことは、食後に時間をあけないことです。
ちなみに、夕食から就寝までは4時間くらい空けるのが理想です。
一般的に、食べたものが完全に消化・吸収されるまでに4時間くらいかかります。その途中で寝てしまうと、どうしても翌朝に胃の不快感が起きます。
(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)