オフィス需要縮小、大型新築「常盤橋タワー」も「世界貿易センタービル」も空室ありPhoto:PIXTA

オフィスの賃料が上昇から下落へ転じるとされる空室率は5%。すでにその域は超え、新築ビルの空室率は約9%になってしまった。コロナ禍以前は貸し手(ビルオーナー)優位だったオフィスビル市場は今や借り手優位に。しかも新築ビルが大量供給される「2023年問題」が控える。オフィス需要の低迷が続く中、市場はどうなるのか。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

オフィス空室率は15カ月連続で上昇
賃料は10カ月連続で下落

 東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)において、5月末時点の基準階面積100坪以上の大型オフィスビルの平均空室率が5.9%になった――オフィス仲介の三鬼商事が6月に発表したレポートは、オフィスビル業界の苦境を浮き彫りにした。

 平均空室率は15カ月連続の上昇で6年9カ月ぶりの高水準だ。新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークの推進などで出社率が大幅に下がり、オフィス需要が低下。企業の拠点集約に伴う大型解約などがあり、東京都心5区全体の空室面積が4月末からの1カ月間で約1万9000坪増加した。

 オフィス賃料が上昇から下落に反転する目安の空室率は5%とされる。それを裏付けるように平均賃料(坪単価)は2万1249円で2020年8月の2万2822円以降、10カ月連続で下がっており下落が止まらない。

 ここで注目すべきは新築オフィスビル(築1年以内)だ。平均空室率は1年前の20年5月末と比較すると、1.85%から8.97%と7.12ポイント上昇している。既存オフィスビルの1.63%から5.86%の4.23ポイント上昇に比べると高い。平均賃料も新築は3万2235円から2万9757円の2478円下落で、既存の2万2587円から2万1134円の1453円下落と比べて幅が大きい。

 今年、都心で注目の大型新築オフィスビルは、世界貿易センタービルディングなど4社による「世界貿易センタービルディング南館」(港区浜松町、3月竣工)と三菱地所の「常盤橋タワー」(千代田区大手町、6月竣工)の2棟。6月21日取材時点で、これらの稼働状況はどうなっているのか。