新型コロナウイルス感染症の発生源を特定するには、多くの初期感染例が見つかった市場に野生動物を供給した飼育場を調べることだ。それが、重要な次のステップとなる。しかしそこには大きな問題がある。飼育されていたほぼすべての動物が既にいなくなっているからだ。食用や毛皮用、中国伝統の漢方薬用として野生動物を飼育したり、わなで捕らえたりしていた人々は、昨年初めに中国当局者らから、こうした取引をやめるよう命じられ、確保していた動物を殺したり、売却したり、野生に返したりした。この人々の中には、ラオス、ミャンマーとの国境付近の高地に住んでいた者もいる。中国南西部・雲南省で農業を営むヤン・ボー氏(40)は「政府が動物を買い上げてすべて殺処理した。従業員は解雇するしかなかった」と語った。それまで彼は、年間1000匹ほどのタケネズミを飼育し、それをキロ当たり約120元(約2100円)で売っていた。
中国の野生動物飼育場、新型コロナ拡大と関係は
施設の多くはすでに閉鎖、今後の調査は困難と科学者らは指摘
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