長らく修正について審議されていたミャンマーの外国投資法が、先日11月2日にようやく成立した。今回は、その修正の内容等について下記の主要論点を改めて整理したい。

1、そもそも外国投資法とは何か
2、今回の改正の背景は何か
3、改正議論における紆余曲折の理由とその意味
4、今回の主要変更点
5、日本企業にとっての今回の修正の意味とは何か

なお、今回の改正において、より具体的な内容やその影響等については、今後発表される施行規則等さらなる詳細な情報を待つ必要がある。従って、あくまで現時点でわかる範囲での情報である旨ご留意頂きたい。

外国投資法とは何か

 まず、そもそも外国投資法とはどういった法律で、どのような場合に当てはまる話なのか。下記は、本連載第2回からの引用である。

「外国投資法とは、外国からの投資を促進させるために1988年11月に公布された法律だ。比較的大規模な投資を行う場合に、外国投資法に基づく許可をミャンマー投資委員会(Myanmar Investment Commission、略称:MIC)から受けて、実行するケースが多い。一方でよく誤解されやすい点だが、外国からの投資においては、必ずしもすべて外国投資法に基づき申請を行う必要はない。

 外国投資法のメリットは、許可された場合、優遇税制を受けられることだ。外国投資法に基づいて設立された一定の事業を行う会社は、事業開始から3年間所得税が免除される。この減免期間は、今年の法律改正で5年に延長されることが見込まれている。また、それ以外にも、所得税の減免期間の追加や固定資産の加速減価償却、損失の繰越し等、その他の優遇税制が個別に認められる場合もある。