「この作業では電離則上の管理区域にならないことを前提としているわけですが、実効被曝線量が3カ月で1.3ミリシーベルトにならないから、法令上は対策が不要となるのでしょう。しかし、電離則でも被曝を抑えるのが前提となっていますし、たまたま測って放射能濃度が低かったからといって、何の対策もしないでよいというのはあまりにも乱暴な論理です。消音器に頭を突っ込んでグラインダーで削り取るような作業をしていて、そこに放射性物質がある。相当な曝露作業の可能性があるわけですから、単純な外部被曝の線量だけで判断せず、しっかりとした防護措置をしなければ、内部被曝は避けられません。当然、被曝線量の管理もすべきです」

 たしかに、しきい値がない以上、被曝はできるだけ減らすというのが基本的な考え方のはずだ。その観点からすれば、こうした対策は当然のはずだが、国にいわせるとそうではなくなる。おかしな話である。

 B社社長はこう話していた。

「うちは何が含まれているかなんて内容をまったく知らないで対応している。知ってたら当然扱わないですよ。これまで(付着している灰の)内容物が何かなんて気にしたこともなかった。(筆者に)言われて初めて考えるようになりました。あの後で従業員とも話をして、放射能が含まれたものは二度と扱わないと決めました」

 発注した自治体や元請け企業から現場にそうした情報が伝わってこなければ、現場で対策することは困難だ。B社社長のような「扱わない」との選択もできないことになる。A社やB社は被害者であり、やはり責任は発注元の自治体や元請け企業にあろう。

「もし放射能が入っているなんて知らされたら、どこも扱わないと思いますよ」

 そうB社社長は話していた。

 放射性物質を含むことや曝露の可能性を知らせず、現場に被曝を強いることが許されてよいはずがない。