――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  アマゾン・ドット・コムによる映画製作会社MGMへの買収提案は、普通なら反トラスト法(独禁法)上の懸念をほとんどもたらさないはずだ。MGMの興行収入のシェアは極めて小さく、アマゾンの娯楽分野の事業規模も比較的小さい。  しかし、もちろんアマゾンは映画製作以外に多くの事業を展開しており、電子商取引とクラウドコンピューティングで米最大の企業であり、書籍・ビデオ・音楽販売で支配的地位にある。同社の創業者で取締役会長のジェフ・ベゾス氏は、ワシントン・ポスト紙のオーナーでもある。