キューバが開発したと主張している新型コロナウイルスワクチンが、同盟国のベネズエラで国民に接種されている。だが、中南米の保健当局やベネズエラの医師らは、キューバ製ワクチンの有効性や安全性を示す証拠はないとして、警告を発している。ベネズエラで働くキューバ人医師らはここ数日、カラカスの軍事基地でこのワクチン「アブダラ」を1万人に接種した。キューバはベネズエラに1200万回分のワクチンを供給する契約を結んでおり、これは初回製造分にあたる。キューバ独立戦争の英雄ホセ・マルティの詩にちなんで名付けられたアブダラは、14日間隔で3回接種する。有効率は92%だとキューバ当局は発表している。だが、実験データは科学雑誌で公表されておらず、世界保健機関(WHO)がコロナウイルス対策として緊急使用を認めたワクチンのリストにも含まれていない。このためベネズエラの医療専門家は、ワクチンは秘密のベールに覆われているとして使用を非難している。
キューバの未承認ワクチン、ベネズエラ国民で実験?
コロナワクチン調達に苦慮するマドゥロ政権、保健当局の警告よそにキューバ製投与
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