バイデン政権は米国南部の国境を越える不法移民への対策に注力しようとしているが、西半球で抱える一連の課題にカリブ海の島国ハイチの危機が加わった。新型コロナウイルス感染拡大で経済的困難が深刻化し、移民を駆り立てる原因がさらに増えている。中米では犯罪的暴力が横行しているうえ、昨年は2度にわたり壊滅的なハリケーンが襲来し、干ばつも繰り返し発生している。ハイチのジョブネル・モイーズ大統領の暗殺は周辺地域を一段と不安定化させる。当局者や専門家は、中米の政治・経済危機を背景に難民が増加し、バイデン政権が国境で直面している問題をさらに悪化させていると指摘する。共和党に加え、民主党の一部も何カ月も前から、米政権の国境問題への対応を巡り、移住の是非を検討している人々に複雑なメッセージを送っているなどと批判してきた。ニュース報道やソーシャルメディアで、一部の人々が米国滞在を許可されている様子が伝えられ、さらに多くの子どもや家族が米国に流れ込み始めた。
ハイチ大統領暗殺、バイデン氏の中南米政策に逆風
国境問題に注力したい米政権、中米危機はさらなる難題
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