約2カ月でタリバン政権は崩壊、11月には有志国連合とアフガニスタンの諸勢力の代表らが暫定政府の樹立や国民大会議の招集に合意した。12月には暫定行政機構が発足、2004年12月にはハミド・カルザイ大統領が就任した。

 だがその後もタリバン側の攻撃が続くなかで、米国が兵力の増派を余儀なくされる。タリバン側は支配地域を再び拡大、米国は泥沼状況に陥った。

ピーク時には9万人を派遣
タリバン政権復活の可能性

 米軍はこの戦争にピーク時に9万人を派遣、他の国も最大時に約4000人を出した。米軍の死者は約2430人、負傷者は2万2000人余りとされる。他の派遣国軍の死者は約1150人だった。

 一方タリバン兵は人員約6万人と推定されたが多くの民衆の協力を得ていた。アフガニスタンの民間人の死者は10万人以上とみられる。

 有志国連合側はアフガン政府軍約17万人、警官約10万人を育成しようとしたが脱走者が多く、その給料を幹部が着服することが横行したようだ。

 米軍の直接戦費は7700億ドル(約88兆円)と発表されたが、手足を失ったり失明したりした重傷者の生涯の年金、治療費や国債の利息など将来の費用を含むと「その約3倍になる」との指摘もある。

 バイデン政権は当面カブール空港や米国大使館などの警備に少数の兵員を残留させる、との報道もあるが、今年9月11日までに完全に撤退する方針が表明されている。

 米軍の撤退により「治安悪化が懸念される」との報道が日本でもあるが、外国軍が占領してタリバンなどとの戦闘が起き、民間人多数が誤爆などの犠牲となってきたことこそ最大の治安上の問題だろう。

 タリバン政権が復活するのを「治安の悪化」と日本のメディアが言うのは米国側の視点をそのまま報じている感もある。

 米軍とそれに同調してきたNATO諸国などの部隊が撤退することにより、それに擁立され、支えられてきたアフガン政府が崩壊するのは不可避だ。