カンヌ国際映画祭で16日、2019年の香港民主化運動を題材とした新たなドキュメンタリーが上映される予定だ。映画業界の興行成績は中国に大きく依存しているにもかかわらず、またもや中国政府との衝突を招こうとしている。カンヌ映画祭はこのドキュメンタリー『時代の革命』を上映することを最後まで秘密にしていた。香港出身のキウィ・チョウ監督(42)が手掛けたこの作品は、中国当局に反発し、時に暴力を伴いながら香港を揺るがした抗議デモを、7人の登場人物を通して描いている。物語は、反対意見の封じ込めを狙う中国政府による国家安全維持法(国安法)の制定で幕を閉じる。中国のクロエ・ジャオ監督が今年、オスカーを受賞した際には、中国に批判的な同監督の古いコメントが再浮上し、中国政府が検閲に動いた。これとは別に、ノルウェー人監督が制作した香港抗議デモのドキュメンタリーが賞にノミネートされると、香港では数十年ぶりにアカデミー賞の放映が見送られた。香港は先ごろ、国家安全保障問題を対象に含めるために映画検閲権を拡大した。チョウ監督作品のタイトルは、「香港を解放せよ、われわれの時代の革命だ」という抗議スローガンの後半部分を取っているが、このスローガンを反体制的とみなす中国や香港の政府から怒りを買う恐れがある。