有楽町線答申では、有楽町線(東京8号線)の豊洲~住吉間延伸と、南北線の白金高輪~品川間延伸について早期の事業化を進めるべきだとした Photo:PIXTA

国土交通大臣の諮問機関である交通政策審議会は7月8日、「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等に関する小委員会」の第5回会合を開催。政府と東京都が保有する東京メトロの株式について、それぞれ半分を売却して上場させるよう提言する答申をまとめた。その背景にある政府と東京都のそれぞれの思惑とは。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

有楽町線と南北線の延伸は
東京メトロが主体と結論

 国土交通大臣の諮問機関である交通政策審議会は7月15日、「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方に関する小委員会」が取りまとめた答申を発表した。この小委員会は昨年12月、赤羽一嘉国土交通大臣が交通政策審議会に対して行った、「今後の地下鉄ネットワークのあり方について議論した上で、東京メトロが果たすべき役割及びその役割を踏まえた株式売却のあり方について議論する必要がある」との諮問を受けて設置されたもの。

 答申では、「今後、首都・東京の国際競争力を更に強化する観点に加え、観光客の目的地への円滑なアクセスや流動分散など快適な移動手段の確保を通じた東京の更なる魅力向上の観点からも、地下鉄ネットワークの充実が必要である」として、2016年の交通政策審議会第198号答申において「地下鉄ネットワークの拡充に資するプロジェクト」と位置付けられた、有楽町線(東京8号線)の豊洲~住吉間延伸と、南北線の白金高輪~品川間延伸について早期の事業化を進めるべきだとした。