7月15日、米マイクロソフトは「Windows 365」を発表した。これはWindows OSの新バージョンではなく、企業向けの新しいクラウドサービスだ。Windows 365とは何か、そしてマイクロソフトはどのような狙いでこのサービスを提供するのかを解説する。(テクニカルライター 笠原一輝)
Windowsのクラウド版サービス
米マイクロソフトは、7月14日(現地時間、日本時間7月15日)から開催しているオンライン・カンファレンス「Microsoft Inspire 2021」(マイクロソフト・インスパイア)でクラウドPCサービス「Windows 365」(ウインドウズ・スリーシックスティーファイブ)を発表した。8月から提供を開始する計画だ。
Windows 365は、パソコン(Mac OSでもよい)やiPadなどのタブレット上のWebブラウザで、Windows PCと同じ感覚で利用することができるというものだ。もう少し詳しく言うと、「仮想デスクトップ」という技術を利用して、クラウド上にWindows PCのイメージを置き、そこにインターネット経由で好きな端末のWebブラウザから接続して遠隔操作できるというもの。Windowsのクラウド版サービスであり、パソコンにインストールする従来のWindows OSとは根本的に異なる。
Windows 365は8月からサービスが提供される予定で、当初はOSとしてWindows 10を選択できる。年末までに投入される予定のWindows 11がリリースされた後は、Windows 11を選択することが可能になる。