本来、サービスの充実が売り上げ増へとつながる。たとえばギャル向けを主力としたファッションECサイトである夢展望は、売れ筋の商品については写真だけでなく動画も掲載している。利用者のニーズに応じたサービスであり、「着心地や着ているときのイメージが掴みやすい。動画がない商品に比べて5割増しで売れる」(夢展望)という。スマートフォン向けのサービスも充実させており、11月にはファッション、美容、占い、レシピなどのコンテンツを盛り込んだ情報雑誌アプリの無料提供をスタートした。エンターテインメント性を高めて集客し、洋服の販売につなげることを狙っている。

 マガシークは売り上げを伸ばすために、倉庫を岐阜から関東に移転して配送サービスを向上させていくほか、サイトのコメント投稿機能を充実させる。サービスを強化し、自社オリジナルブランド「N゜4 CLOSET」に購買力の高い40代女性を取り込んでいく戦略だ。

 当然、ゾゾタウンもサービス向上を図っている。「ZOZOTOWN改善計画」と銘打って利用者から意見や要望を募り、携帯やスマートフォンでもパソコンと同様に商品の人気ランキングを見られるように改善したところだ。

 体力勝負の価格競争に陥った場合、こうしたサービスが疎かになる可能性は否定できない。とはいえ、消費者は安い価格や、事実上の割引である高いポイント還元率を求めているのも事実。トップ企業のゾゾタウンが仕掛けた価格競争は競合他社にどんな波紋を起こすのか。今回の動きをきっかけに、ファッションECサイトの淘汰・再編が進む可能性もある。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 野口達也)

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