ミャンマー軍事政権の強力な後ろ盾として、ロシアの存在が際立ってきた。クーデターが発生した2月以降、ロシアは外交支援を提供し武器売却交渉を進めるなど、存在感を増している。ロシアは先月、クーデターを指揮したミン・アウン・フライン国軍総司令官を招き、防衛関係について協議したほか、国防関連の高官をミャンマーに派遣した。クーデター以降、ミャンマーを訪問した外国人としては最上位クラスだ。ロシアの動きは、かねてミャンマーの後ろ盾で、最大の投資家でもある隣国・中国とは対照的だ。中国はクーデター以降、軍事政権とは距離を置き、国家の安定性について懸念を表明している。米国など西側諸国がミャンマー軍事政権の孤立化を狙う中で、ロシアとの関係強化は、ミャンマーの軍幹部らに選択肢を与えるとともに、軍事政権の立場を支え、武器を含む支援で中国への依存を減らす役割を果たしている。外交政策の専門家はそう分析している。ロシアにとっては、影響力を高め友好国を増やす機会となる一方、西側諸国が唱える民主主義を妨害することができる。