国土交通省が2020年度の三大都市圏都市鉄道の混雑率を公表した。調査結果から、新型コロナウイルスの感染拡大により、混雑路線の顔ぶれは大きく変化したことが明らかとなった。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
新型コロナの感染拡大で
混雑路線の顔ぶれが大変化
国土交通省は7月9日、2020年度の三大都市圏都市鉄道の混雑率調査結果を公表した。東京圏主要区間の平均混雑率は、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛やテレワーク拡大の影響を受け、調査開始以来最低値となる107%だった。昨年は163%だったので、実に56ポイントの大幅な減少である。
混雑路線の顔ぶれも大きく変化した。2019年度の調査では、東京圏で最も混雑していたのは東京メトロ東西線(木場→門前仲町間)で、ピーク1時間の平均混雑率は199%だった。次いで横須賀線(武蔵小杉→西大井間)の195%、総武線各駅停車(錦糸町→両国間)の194%、東海道線(川崎→品川間)の193%、日暮里・舎人ライナー(赤土小学校前→西日暮里間)の189%と続いた。
それが2020年度は、日暮里・舎人ライナー(同)の140%を筆頭に、武蔵野線(東浦和→南浦和間)が134%、都営三田線(西巣鴨→巣鴨間)が129%、埼京線(板橋→池袋間)が127%、東急田園都市線(池尻大橋→渋谷間)が126%となり、日暮里・舎人ライナー以外の全ての路線が入れ替わる結果となった。