――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター
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米議会で審議されているインフラ投資のための二つの大型法案――一つは超党派の法案で、もう一つは民主党が単独で推進している、より大規模なもの――はワシントンで大きな注目を集めているが、それにはもっともな理由がある。いずれも、何兆ドルもの資金の使途と、ジョー・バイデン米大統領の多くの政策目標の行方を左右する。また、ワシントンの政界が今でも超党派で何かを成し遂げることができるのかを見極める試金石にもなる。
しかし大半の人々は三つ目のインフラ構想を無視している。それは規模は小さいものの、長期的な経済的・戦略的重要性は他のインフラ構想に匹敵する。今や毎日の生活に不可欠な半導体の米国内生産を大幅に増強するという、比較的地味な構想だ。ワシントンで現在たなざらし状態になっているが、その間にも半導体に関する米国の脆弱(ぜいじゃく)性は顕著になっている。