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4回目の緊急事態宣言の発出を受け、「7割在宅」を政府がお願いする状況が続いています。ところが多くの企業で7割にはほぼ届かない状況です。一方テレワークがしやすい業界では、テレワーク自体には問題がなくても、新人・若手の育成に苦労している企業も多いのでは。特に、2020年度・2021年度入社の社員の中には、ほとんど出社したことがないという人も少なくありません。さらに、一人暮らしの場合には実家にも帰れず、友だちにも会えずの三重苦。あなたの会社にもきっといる、上司や先輩にも頼れるほど人間関係ができずに悩む「ぼっち社員」をどう救うかを考えます。(カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、産業カウンセラー 片桐あい)

例年以上に「今年の新人は分からない」

 2019年以前の新人研修では、同期同士の絆を作るのは容易でしたが、オンライン研修では同期同士のつながりが弱く、プライベートも含めた人となりを理解することが難しいという声をよく聞きます。また、以前は配属後、隣に机を並べた先輩が仕事を教えてくれたりランチに連れて行ってくれたり、新人歓迎会もあったりして、雑談からお互いの性格や価値観を理解することもできていました。

 しかし、コロナ禍では、オンラインでの自己紹介から始まり、雑談もしにくい関係性の中で、新人自身からすると一緒に仕事をする仲間として受け入れられたという感覚を持つことは難しいと感じることでしょう。上司・先輩から見ても毎年入ってくる新人を「今年の新人はよく分からない」という声をよく聞いてきましたが、オンライン時代にはなおさら拍車がかかります。

 仕事を教えるためのOJTをオンラインで行うことには、それなりのスキルや経験も必要です。例えば、靴のひもをちょう結びにしたことがない人に、結び方をオンラインで教えるためにはどのように伝えたらよいでしょうか? 「マニュアルに書いてあるからやってみて!」という伝え方だけでは、うまく結べるようにはならないでしょう。何に注意をして結ぶのか、どこでつまずいているのか、相手の状況を確認して指導をしていくことが大切です。