テレワークに1年以上取り組んでみて、生産性が上がったという職場と生産性が下がったという職場に二極化しています。コロナ禍が収束したとしても、テレワークは戦略的に利用すれば企業にとっても働く人にとっても有益な働き方です。テレワークで成果を出すために大切なのが“チームメンバーとの信頼関係の再構築”。今回は、成果を出している組織がどのようにマネジメントをしているかを解説します。(カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、産業カウンセラー 片桐あい)
テレワークで働く仲間のことをどれだけ知っていますか?
コロナ前、オフィスで机を並べて仕事しているときには、普段は仕事仲間を信頼して仕事を任せていても、何かあればすぐに確認でき、質問や分からないことがあればすぐに誰かが答えてくれました。また、仕事の合間の何気ない雑談も職場の潤滑油として機能していたことでしょう。しかしテレワークでは、このちょっとした会話がやりにくい。これは誰しも感じるところだと思います。
管理職研修で、「部下のことをどれだけ知っていますか?」と、趣味や家族構成、強みと弱み、持っているスキルや経験、キャリア志向、価値観などを書いていただくことがありますが、スラスラ書ける人もいれば、全くペンが動かない人もいます。今の仕事を進める上で、仕事仲間のことをどれだけ知っているかは重要ではないと思われるかもしれません。しかし、仕事のモチベーションや今後のキャリアを考える上では非常に重要な情報です。プライベートについても、首を突っ込みすぎてもいけませんが、ワークライフバランスを考える上では知らないよりも知っていた方がチームの状態の先読みができることもあるでしょう。
テレワークでなかなかメンバーとは会えない状況であれば、なおさら意識して情報収集が必要。そうしないと、オンラインであっても心はオフラインになりがちなのです。