相手に多くを求めすぎず、期待している内容をきちんと言語化して伝えよう。お互いにストレスが減るはずだ。

【必読ポイント!】
◆ストレスを溜めない行動習慣
◇コントロールできることに集中する

 ストレスと上手に付き合うためには、モヤモヤ・イライラしていることを紙に書いて「見える化」するといい。紙に書き出すことで、「コントロールできるストレス」と「コントロールできないストレス」に仕分けられるからだ。また、雑然としていた心の状態をきちんと整えて、眺め直せるというメリットもある。

 未来がどうなるかは、誰にもわからない。わかっているのは「今と違う」ということだけだ。未来はコントロールできないのだから、とらわれすぎないようにしよう。

 これはもちろん、未来を考えるなということではない。望ましい未来を思い描き、そのために今できることに力を注ぐのは、大切なことだ。コントロールできる今の行動が、未来をつくっていくのである。

◇人間関係の距離を整える

 人間関係には、いいときもあれば悪いときもある。このことを知っていれば、悪いときはコミュニケーションの量を減らしたり、心理的距離を遠ざけたりして、ストレスを減らすことができる。

 また、相手を変えることはできないが、「関係性」はコントロールできることも覚えておきたい。人間関係に不快を感じるときは、相手ではなく、相手との「距離感」にフォーカスしよう。

 著者は以前、会社に中途入社したての頃、よく上司に誘われて2人でお酒を飲みに行っていた。しかし、上司の話題は会社への不平不満ばかりで、だんだん苦痛になってしまった。そこで著者は、次のような行動にでた。

(1)グチが始まったらお店のマスターと話す「共感しません作戦」
(2)仕事の話にすり替える「話題変更作戦」
(3)忙しい振りをして誘いを断る「嘘も方便作戦」
(4)上司が不満を持つ相手と仲良くして、誘いづらくする「脱派閥作戦」

 距離感の変化を相手に悟られても構わない。相手にどう思われるかよりも、自分のストレスラインを超えない程度に、自分から相手との距離を整えることのほうがもっと大切だ。